幹細胞点滴は、美容効果だけではなく、病気の改善にも効果が期待できると注目を浴びている再生医療です。さまざまな悩みを解決してくれることはうれしいですが、自分が求めている効果が得られるのか、副作用などデメリットはないのかと、わからないことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、幹細胞点滴の効果や種類、メリット・デメリットなどをくわしく解説していきます。

幹細胞点滴とは？

幹細胞点滴とは、近年注目されている再生医療の一つです。

再生医療は、人が持っている自己修復能力を上手に引き出して、病気やケガなどで失われた身体の機能を回復させたり、形状を修復したりすることを目的としています。

幹細胞は、皮膚や脂肪、骨など人間の身体のさまざまな部分に存在し、若々しく健康な身体を保つために働きますが、歳を取ると幹細胞が劣化し、機能も衰えてしまうのです。

幹細胞の機能が衰えると、内蔵機能や免疫力の低下、肌のハリやツヤがなくなるなどのトラブルが起こります。

幹細胞点滴は、自分の細胞を培養して増殖したものを点滴することで、衰えてしまった細胞を修復してくれる効果が期待できるのです。

幹細胞点滴がおすすめの人

幹細胞点滴は、さまざまな効果があり、身体の不調を回復させることに効果が期待できます。

いろいろな治療を試したものの効果を実感できず、年齢のせいだからしょうがないと諦めている方にもおすすめです。

また、とくにおすすめしたいのは、シワやシミを改善して、若さを取り戻したいと思っている方。抜け毛や薄毛の改善効果も期待できます。

他にも関節の痛みに悩んでいるという人にもおすすめの点滴です。

幹細胞点滴の効果が知りたい！

さまざまな身体の不調に効果的といわれている幹細胞点滴ですが、具体的な効果を美容面と健康面にわけて見ていきましょう。

美容面での効果

幹細胞点滴で得られる美容面での効果は、シワやたるみ、毛穴・肌質の改善はもちろんのこと、美白効果も期待できます。目の下のクマにも効果的。

さらに、年齢を重ねると切り傷などの創傷、皮膚の炎症が治りにくくなりますが、幹細胞点滴を受けることにより治癒を促進してくれる効果も。

肌だけではなく、髪の毛の再生や増毛にも効果的とされています。

健康面での効果

健康面では、老化予防はもちろんのこと、疲労の回復効果を高めたり、病気の予防をしてくれたり、血流の改善効果も期待できます。

見た目だけではなく、身体の中から美しくなれる、幅広い効果が期待できる点滴といえるでしょう。

幹細胞点滴には種類がある

幹細胞点滴には2種類あります。

どのような治療法なのか見ていきましょう。

幹細胞治療

自分の幹細胞を採り、培養して増殖した幹細胞を点滴で身体に戻す治療方法です。

幹細胞を身体に入れることは、高度な医療技術が必要なため、費用も高額に。

また、薬事法で厳しく定められているため、国の認可を必要とします。

幹細胞培養上清液療法

幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養するときにできる、身体にいい効果をもたらすといわれている成長因子やサイトカインなどの有効成分が含まれている液体の上澄み液。

幹細胞そのものは含まれていないため、がん化やアレルギーのリスクが少ないといわれています。

幹細胞が含まれていないといっても、幹細胞培養上清液は体内で細胞の活性化を促し、美容面でも健康面でもさまざまな効果を発揮してくれます。

幹細胞治療と幹細胞培養上清液療法の違いは？

幹細胞治療と幹細胞培養上清液療法の違いは幹細胞そのものが含まれているか、いないかという点です。

また、幹細胞治療は医療行為のため厳しい審査が必要ですが、幹細胞培養上清液療法は美容クリニックでも受けることが可能となっています。

幹細胞培養上清液には種類が！

幹細胞培養上清液は全部で4種類。

培養するときに使われる幹細胞の種類によって、効果に違いが現れます。

歯髄由来

乳歯の神経から抽出される幹細胞培養上清液は、増殖力が高く、再生能力に優れています。

そのため、神経の疾患や痛みの緩和に効果的です。

骨髄由来

骨髄から抽出される幹細胞培養上清液は、神経を生産する効果が高いといわれています。

そのため、脊髄損傷や聴力、脳梗塞の後遺症などの治療に使われることが多いです。

脂肪由来

脂肪組織から抽出された幹細胞培養上清液は、タンパク質が豊富。

美容やAGA治療に適しています。

臍帯由来

臍帯（へその緒）の血液から抽出した幹細胞培養上清液です。

100種類以上の再生成分が含まれているといわれています。強い抗炎症効果が期待でき、広範囲の治療に使用することが可能です。

美容に効果的な幹細胞培養上清液に含まれる成長因子は？

幹細胞培養上清液に含まれる成長因子は、タンパク質からできています。

その中でも美容に効果的であるといわれているのは、EGF・TGF-β・HGF・FGF2・IGFなどです。

EGFは上皮増殖因子とも呼ばれ、シミやくすみの改善やターンオーバーを促す効果が期待できます。

TGF-βはトランスフォーミング増殖因子。抗炎や傷の治療を促進してくれます。

HGFは肝細胞増殖因子のことで、細胞の老化を抑える効果があります。

FGF2は線維芽細胞増殖因子。色素沈着やシミの予防に効果が期待できます。

IGFはインスリン様成長因子のことで、新しい皮膚や細胞を作ってくれ、コラーゲンやヒアルロン酸などの再生を促すため、若々しい肌のハリや弾力を取り戻すことが可能です。

幹細胞点滴のメリットとは？

幹細胞培養上清液は点滴以外にも、注射などでも行うことができます。

幹細胞点滴には、どのようなメリットがあるのでしょうか？

副作用やダウンタイムがほとんどない

注射やダーマペンで幹細胞培養上清液を導入する方法は、1週間程度の副作用やダウンタイムが見られます。しかし、点滴ではダウンタイムがほとんどありません。

成長因子が全身に運ばれる

点滴をすると幹細胞培養上清液の成長因子は、血液に乗って約50秒で体内を1周するといわれています。

そのため、部分的に注射をするよりも、全身に成長因子を運ぶことができ、直接投与できない部分にまで成長因子を運ぶことができるのです。

幹細胞点滴のデメリットはある？注意すべき点は？

いいことばかりではない幹細胞点滴。注意すべき点も抑えておきましょう。

赤みや腫れ、副作用が出ることも

ダウンタイムや副作用がほとんどないといっても、個人差があるため、点滴に使用する注射針による赤みや腫れなどが起こる可能性があります。

数日で症状は治まりますが、気になる場合は相談してみるといいでしょう。

アレルギー反応が起こる可能性もゼロではありません。体調によっても副作用の症状は違います。体調不良の場合は、医師に相談してから受けるようにしましょう。

また、がんの治療中や妊娠中・授乳中なども受けることができないので、注意してください。

即効性はない

幹細胞点滴を行っても、すぐに全身に変化が現れるわけではありません。徐々に組織を修復していくので、即効性はないので注意しましょう。

献血ができない

幹細胞点滴を受けると献血ができなくなります。幹細胞培養上清液は、ヒト由来の成分のため、検知できない細菌やウイルスなどが存在する可能性があるからです。

幹細胞点滴はどのくらいで効果を実感できる？効果の持続期間は？

幹細胞点滴は、5～6回目の施術で効果を実感できたという人が多いようです。

施術後すぐにすっきりとしたという人もいれば、2～3週間後に効果を少しずつ感じられるようになったという人もおり、実感に差があります。

1回でももちろん効果は期待できますが、高い効果を持続させたい場合は、複数回行うことがおすすめ。

施術の間隔は2週間から1ヶ月に3～5回が目安です。カウンセリングの際に相談するといいでしょう。

幹細胞点滴の費用は？金額相場が知りたい

幹細胞点滴は、保険適用ではないため、全額自己負担となります。

幹細胞治療の場合は、病院と培養する細胞の数にもよりますが、1億個で100～300万円ほどかかるとかんがえたほうがいいでしょう。

幹細胞培養上清液療法の場合は、美容クリニックでも受けられるため、1回1万円前後のところが多くみられます。ただし、1回では効果が感じにくいことから、回数性となっているクリニックも。

また、美容クリニックによって幹細胞培養上清液の種類が異なることがあるため、費用だけではなく、自分の目的に合ったより効果的な治療ができるものを選びましょう。

まとめ

幹細胞点滴は、シミやシワの改善、毛髪再生・アンチエイジングなどの美容面での効果だけではなく、疲労回復や病気の予防など、健康面での効果も期待できる再生医療です。

幹細胞点滴は、副作用やダウンタイムが少なく、継続することでより高い効果を得ることができます。

ただし、費用は自己負担となるため、高額となることは避けられません。

しかし、幹細胞培養上清液療法の場合は、美容クリニックでも行っているので、比較的受けやすいといえるでしょう。

美容クリニックによって、幹細胞培養上清液の種類が違うため、金額だけではなく自分の目的に合ったものを選んでくださいね。