いつまでも若々しい肌を保つことは、多くの女性にとっての理想です。

しかし、ボトックス注射やPRP療法、ヒアルロン酸注射などの美容効果が高い方法は、費用や通院時間などで手を出せない方も多いと思います。

この記事では、費用も抑えられ、自分で対策可能なヒト幹細胞培養液について、その効果や成分、費用、注意点まで徹底解説します。

幹細胞とは？

幹細胞とは、分裂により自身の細胞と全く同じ細胞を複製できる「自己複製能力」と他の組織の細胞へと変化することができる「分化能力」の2つの能力を持った細胞のことです。

この幹細胞を培養する際、サイトカインと呼ばれるタンパク質を放出するため、培養液には様々な種類のサイトカインが蓄積されていきます。

その中には、美容に効果があるサイトカインも豊富に含まれています。ヒト幹細胞培養液はそのサイトカインを利用したエイジング治療になります。

幹細胞には3種類ある

美容に使用される幹細胞には、大きく以下3つに分類されます。

• 動物由来幹細胞
• 植物由来幹細胞
• ヒト由来幹細胞

ヒト由来幹細胞は、人から採取した幹細胞であり、同じく植物由来は植物から、動物由来は、人以外の様々な動物から採取された幹細胞です。

何を由来にした幹細胞なのかによって、効果や特徴が変わってきます。それぞれの効果、特徴について説明していきます。

動物由来

動物由来幹細胞としてよく用いられるのは、ヒツジやブタ、ウマの幹細胞です。特にヒツジの胎盤や毛根の幹細胞がよく使われます。人の幹細胞と構造が似ているためです。

細胞の活性化による美肌効果が期待されます。しかし、衛生状態や動物がウイルスを持っていないかの確認などの厳しい管理が必要であったり、ヒトや植物由来と比べてアレルギー反応が起きやすいという問題があるため、植物由来やヒト由来と比べて流通量は多くありません。

植物由来

植物由来幹細胞は、植物の中でも、根っこや茎の根本、種子の胚などの栄養が豊富で細胞分裂が多くおこる場所から採取されます。主にリンゴやカミツレ、アルガン、薔薇由来などの植物が使われることが多いです。特にスイス原産のリンゴ種である「ウトビラー・スパトラウバー」は、4ヶ月間酸化による腐敗をおこさないほど抗酸化力がとても高いことが有名で、この特性が美容に生かされています。

植物幹細胞は、高い保湿作用と抗酸化作用を持つため、植物由来幹細胞を利用した美容液や化粧品にも保湿作用と抗酸化作用が期待できます。

しかし植物細胞と人・動物の細胞では、細胞の活性化の仕組みやメカニズムが大きく異なるため、植物由来幹細胞による肌のターンオーバー効果や新陳代謝を促進などの美容効果はあまり期待できないとされています。

ヒト由来

ヒト由来幹細胞で美容によく使用されるのは、皮下脂肪から採取した幹細胞です。人の細胞から採取された幹細胞のため、アレルギーが起きにくく、美容でも多く使用されています。

幹細胞は培養する際に多くのサイトカインが放出されるため、ヒト幹細胞培養液はサイトカインがとても豊富です。これらサイトカインは、細胞を活性化させ、細胞の成長・再生・修復を加速させたり、新しい皮膚細胞の生成が促進されたりなど様々な効果があります。

そのため、ヒト由来幹細胞を用いることで、肌のターンオーバー効果や新陳代謝を促進などの美容効果を望むことが可能です。植物由来の美容液や化粧品より高価ですが、その分よりアンチエイジング効果が強いとされています。

ヒト幹細胞培養液の効果の仕組み

細胞の老化の原因と従来の対策

私たちの体は、普段生きているだけで活性酸素を発生させます。この活性酸素は老化の原因の1つとして知られています。その理由は、活性酸素には細胞を酸化させる作用があるため、体の中の活性酸素量が増えると、細胞の酸化が進み、細胞本来の機能を低下させるためです。

特に細胞が傷つけられ、それを修復する際に活性酸素が発生しやすいといわれています。例えば、紫外線を浴びると皮膚に活性酸素が発生し、しみ・シワなどの老化現象を起こします。紫外線が肌によくないことは美容業界では常識になりつつありますが、この活性酸素の発生が理由の1つです。

肌細胞が老化すると、線維芽細胞の機能低下や数の減少により、美肌のために重要なコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの成分が産生されなくなります。従来の対策では、これらの成分を直接補充して対処するようなスキンケアが主流でした。しかし、この方法では細胞の老化を止めることはできませんでした。

細胞の活性化による根本治療

ヒト幹細胞培養液を使ったスキンケアでは、皮膚細胞を活性化させることで、線維芽細胞や抗酸化物質を増加させたり、肌のターンオーバーを促進させる根本的な対策ができます。

細胞の表面には受容体というものが存在し、そこに特定の物質が結合することによって、細胞内でシグナルが発生し活性化します。その特定の物質に該当するものが、ヒト幹細胞培養液に含まれるサイトカインです。

例えば、皮膚に存在する表皮幹細胞が活性化されると、肌のターンオーバーが促進されます。また真皮幹細胞が活性化されると、線維芽細胞が増えコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの美肌成分が増えます。

サイトカインの種類や効果

ヒト幹細胞培養液には、多くの種類のサイトカインが含まれています。その中で代表的なものを説明します。

• EGF（上皮成長因子）：細胞の成長・再生・修復を促進や新しい皮膚細胞を産生させることで、シミやしわを改善や傷口の回復を早める作用があります。
• aFGF（繊維芽細胞成長因子）：血管新生の促進や創傷の治癒において重要な役割を果たすサイトカインであり、SOD（抗酸化酵素）を増やし、活性酸素の抑制による老化防止作用があります。
• PDGF（血小板由来成長因子）：コラーゲン生成や、細胞分裂の促進でシミやしわを改善します。また、創傷治癒や抗炎症作用もあります。
• IGF-1（インスリン様成長因子）：血糖値を下げるインスリンとよく似た構造を持つサイトカインであり、細胞の成長やコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進させます。

効果がでるまでの期間

ヒト幹細胞培養液を使用したエイジングケアは、対症療法ではなく根本からケアしていくものになります。そのため、効果が出るのに時間がかかります。

肌のターンオーバー周期は約6週間といわれているので、少なくとも効果が現れるのにそれくらいの時間がかかるとみておいた方がいいでしょう。そのため、継続したエイジングケアが大切になります。

ヒト幹細胞培養液の副作用やリスクはほぼない

「ヒト幹細胞培養液」という見慣れない言葉を聞くと副作用やリスクが心配になると思いますが、現在のところ健康を損なうような報告はありません。

新しい治療法なので、副作用やリスクの可能性が0だとは言い切れません。しかし、ヒト幹細胞培養液は、厚生労働省が定めた検査を通過しなければ販売できないという点からも安全性はかなり高いといってもいいでしょう。

費用相場

ヒト幹細胞培養液が入った美容コスメ商品の費用は、その濃度や一緒に含まれている成分によっても違ってくるため一概にはいえません。

ただ全体的にみると、数千円〜1万円で買えるものが多いです。ヒト幹細胞培養液でのエイジングケアは特に継続することが大切なので、無理のない範囲で選びましょう。

ヒト幹細胞培養液の失敗しない選び方

オススメは原液美容液

ヒト幹細胞培養液でオススメなのは原液の美容液です。ヒト幹細胞培養液を薄めて販売されているスキンケア商品もありますが、高いアンチエイジング効果を期待するなら濃度の高い原液がおすすめです。

しかし、ヒト幹細胞培養液の濃度が高いほど価格も高くなる傾向があります。長期間継続して使っていくことでより効果を得られるので、続けられる価格のものを選びましょう。

ヒト脂肪由来か確認する

ヒト幹細胞培養液の中でも美容において効果があるのが脂肪由来のものだといわれており、幹細胞美容の研究でも最も進んでいます。そのためヒト幹細胞培養液といえば、ヒト脂肪由来のものが多いですが、中には違うものもあるのでよく確認するようにしましょう。

返品保証があるものを選ぶ

効果が高いとされるヒト幹細胞培養液でも、人に合う合わないはあります。手が出せないほど高額ではないですが、通常の美容液やコスメと比べると高い値段になる傾向があります。初めて使う方は返品保証がついているものを選ぶと安心です。

年齢や気になる肌症状による使い分け

年齢による使い分け

肌の老化は、20代からすでに始まっています。見た目では分からずとも細胞レベルでは老化が着実に進んでいるのです。老化を防ぐ効果があるヒト幹細胞培養液は、20代から始めても早すぎることはありません。

また、どんな年代でも肌の細胞を活性化させるアンチエイジング効果は期待できるため、特に年齢による使い分けは必要ありません。

肌症状による使い分け

ヒト幹細胞培養液は、肌を根本的に若返らせる効果があるため、肌症状の違いによっても特に使い分けは必要ありません。ただ、特定の症状が気になる場合、その症状にマッチしたコスメやサプリなどを併用することをおすすめします。

注意点

幹細胞そのものは含まれていない

ヒト幹細胞培養液には、幹細胞そのものは含まれていません。幹細胞そのものを美容や医療に使う場合、国の厳しい審査を通過したクリニックや病院でのみ取り扱いができます。

そのため私たちが市販で購入できるようなスキンキアには幹細胞は入っていないので、幹細胞そのものが入っているような表記がある場合は、買わないようにしましょう。

培養液原液と培養液エキスの違いを認識する

同じヒト幹細胞培養液が使われているスキンケア商品でも、表記が「培養液原液」と「培養液エキス」のものがあります。この2つの違いは培養液原液はその名の通り、培養液そのものが入っています。一方で培養液エキスは、培養液原液を水やアルコールなどの薄めたものを指します。

したがって、「培養液エキス100%」と表記があっても培養液は薄まっていますので、よく濃度を確認して購入しましょう。

アレルギーテスト

アレルギーが起こる可能性もかなり低いヒト幹細胞培養液ですが、一緒に含まれている添加液などでアレルギーを起こすこともあります。使い始める前に少量で試して、アレルギーが出ないかや自分の肌に合っているかなど確かめた方がより安全です。

まとめ

この記事では、ヒト幹細胞培養液について、その効果や成分、費用、注意点などを解説しました。

ヒト幹細胞培養液は、肌を根本から若返らせることが期待でき、個人でも手軽に始められる治療法です。

ぜひヒト幹細胞培養液で、いつまでも若々しい肌を保ちましょう。

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