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肌のクレーターは一生治らない!?再生医療で治る?原因やおすすめの治療法を徹底解説!

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院長 黒木 良和

九州大学医学部卒
九州大学大学院修了 医学博士
川崎医療福祉大学客員教授
元神奈川県立こども医療センター所長
元聖マリアンナ医科大学客員教授

クレーターは月のクレーターのように、肌の毛穴やその周辺が凸凹になる症状のことです。クレーターの原因はニキビの炎症によるニキビ跡をはじめ、たるみや乾燥などによって起こります。

クレーターは軽度のものはスキンケアで進行を遅らせることができますが、完全に完治することはなく、一生治らないとされています。しかし、再生医療によってクレーターが治る可能性があります。

今回は肌のクレーターの原因や治療法について解説します。

クレーターとは

クレーター 一生治らない

クレーターとは、肌の毛穴やその周辺が凹凸になることを指します。クレーターはニキビや乾燥などの原因によって起こります。ニキビなどで炎症を起こすと、肌内部の真皮層や皮下組織まで傷つき、真皮内にあるコラーゲンやエラスチンなどの細胞が破壊されます。

クレーターは軽度のものであればセルフケアで悪化を遅らせることは可能ですが、大きく深い場合はセルフケアでは不可能です。

クレーターの種類

クレーター 一生治らない

クレーターは炎症によって肌内部の組織が破壊してしまい、凹凸が残る状態です。一度クレーターになってしまうと一生治りません。軽度であればセルフケアが可能ですが、クレーターが大きく重度のものでは悪化を食い止めることができず、一生付き合っていかなければなりません。

さて、クレーターといってもさまざまな種類があります。ここではクレーターの種類について解説します。

ボックス型(ボックスカー型)

最も多いタイプのクレーターで、肌が四角く凹んでいる状態のことです。陥没した底が平坦で四角にくぼんでいるのが特徴です。

アイスピック型

針で刺したように深く凹んでいる状態のことです。皮下組織まで深く達しており、治療が難しいタイプのクレーターです。

ローリング型

他の2つの型よりも大きく凹んでいる状態のことです。ボックス型などに比べてなめらかにくぼんでおり、真皮まで達しています。状態によっては皮下組織まで達する場合もあります。

クレーターの原因

クレーター 一生治らない

クレーターは3種類の型によって治療の難易度も大きく異なります。

「ニキビ」は最も多い原因の一つで、10代と20代以上で発生するニキビの系統は異なります。ニキビはさまざまな種類があり、ひどくなると「ニキビ跡」が残ります。クレーターもその一つです。

また、ニキビ以外でも原因になることもあります。次はクレーターの原因となる症状について解説します。

ニキビ

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ニキビは毛穴に皮脂が詰まって起こる病気で、尋常性ざ瘡とも言います。ニキビの原因は皮脂分泌の増加や毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖が最も多いですが、顔に住み着いている「ニキビダニ」が原因の場合があります。

ニキビはさまざまな種類があり、最初は目に見えないマイクロコメド(微小面皰(めんぽう))が起こります。マイクロコメドは皮脂が詰まっているものの、ニキビが起こっているかは見分けがつきません。

その後は状態によって「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」に変化します。

白ニキビ

白ニキビは毛穴の中に皮脂がたまっている状態で、閉鎖面皰とも言います。排出できなくなった皮脂が毛穴内にたまることでブツブツの状態で盛り上がります。自覚症状がなく、触るとザラザラしています。

この段階ではセルフケアが可能で、皮脂や汚れが毛穴に残らないようきちんと洗顔し、保湿や角質ケアをしっかりとしましょう。白ニキビができてしまった場合は早めに皮膚科に受診します。

黒ニキビ

黒ニキビは白ニキビが進行してほくろのように黒く変色することで、開放面皰とも言います。

白ニキビと同様に自覚症状はなく、セルフケアが可能ですが、毛穴が開いて黒く見える状態で、放置すると症状が進行してしまう恐れがあるため、早めに皮膚科への受診が必要です。

赤ニキビ

赤ニキビは毛包の中でアクネ菌が繁殖し、炎症を引き起こしている状態で、紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)とも言います。赤みが強く、皮膚が盛り上がって痛みやかゆみが生じます。

さらに炎症を引き起こさないよう、早めに皮膚科・美容皮膚科で受診し、薬物療法やケミカルピーリングなどの施術を行います。

黄ニキビ

赤ニキビが進行して黄色ブドウ球菌が増殖して膿ができる状態で、膿疱(のうほう)とも言います。赤ニキビと同様に痛みやかゆみがあるほか、強い炎症が生じます。

黄ニキビの膿を無理につぶすとニキビが悪化するだけでなく、ニキビ跡のリスクが高くなります。ここまで炎症が進むとセルフケアは難しくなるため、早めに皮膚科・美容皮膚科への受診が必要です。

ニキビ跡

クレーター 一生治らない

ニキビが進行するとニキビ跡が起こります。

赤みは肌内部で炎症が続いて赤みが出ている状態ですが、時間経過とともに改善していきます。早めに治療すれば改善が早くなります。色素沈着はメラニンの生成でニキビ跡が赤黒くなった状態で、早めに皮膚科・美容皮膚科の治療が必要です。

クレーターは先ほど紹介したとおり、肌に凹凸ができてしまう状態で、ニキビ跡の中では症状が重いタイプとなります。

たるみ

クレーター 一生治らない

たるみは加齢による肌のハリや弾力、顔の筋力の低下、紫外線によって弾力が維持されなくなり、たるみが生じます。

実はたるみもクレーターの原因の一つで、たるみによって毛穴が目立ってクレーターのように凹んで見えます。紫外線対策や生活習慣の見直しがたるみ予防につながります。

乾燥

肌の乾燥もクレーターの原因になることもあり、乾燥するとバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。ちょっとした刺激で肌トラブルが発生し、炎症を起こすとクレーターを引き起こす場合があります。

その他

肌に炎症を起こす「皮膚炎」や毛穴が開いて広がり、毛穴同士が帯状になる「帯状毛穴」もクレーターの原因となります。いずれも皮膚科への受診が必要になります。

クレーターのセルフケア

クレーター 一生治らない

クレーターが軽度の場合はセルフケアで進行を遅らせることが可能です。例えば、ニキビ跡によるクレーターの場合は保湿と毛穴を引き締めるスキンケアが必要となります。

おすすめの成分ではコラーゲンやプラセンタ、ビタミンC誘導体などがあります。これらの成分が配合された化粧品を清潔な肌に優しく塗り込めば、クレーターの症状が緩和する可能性があります。スキンケアを選ぶ際は化粧品売り場に足を運んで、肌悩みに合った化粧品を提案してもらうとよいでしょう。

また、化粧品によるお手入れだけでなく、美顔器の活用やメイクで隠す方法なども手です。しかし、セルフケアだけでは根本的なクレーターの改善はできません。あくまでも重症化を遅らせる目的としてセルフケアを行いましょう。

クレーターの治療

クレーター 一生治らない

クレーターは軽度のものでは化粧品などのセルフケアが可能ですが、重度の場合はセルフケアやエステでは不可能です。化粧品などでは不可能なクレーターは美容皮膚科・美容外科による治療でしか方法がありません。

美容皮膚科・美容外科によるクレーターの治療はさまざまな施術がありますが、その中で代表的な「ダーマペン」「レーザー治療」「サブジション」「皮膚移植」の4つを紹介します。

ダーマペン

ダーマペンとは、ペン先に特殊な針が複数ついている機器を使って施術をする方法で、小さな穴をあけて皮膚の再生を促し、クレーターの改善が期待できます。料金は15,000円前後です。

しかし、一時的に治っても、1ヵ月もすると元に戻ってしまうデメリットがあります。また、深いクレーターにはあまり効果はありません。

レーザー治療

レーザー治療は皮膚にレーザーを当てる治療法で、フラクショナルレーザーやピコフラクショナルレーザーなどさまざまな種類があります。料金はレーザーの種類によって異なりますが、30,000~70,000円前後します。

レーザーを照射することでクレーターの改善が期待できますが、一部のクレーターには効果は限定的です。

サブジション

サブジションとは、医療用の針を皮下に刺して表皮と筋膜の癒着を剥がす施術で、顔面に広い範囲でクレーターがある方や、ダーマペンやレーザー治療などで改善できなかったクレーターの方にはおすすめです。料金は25,000~200,000円前後かかります。

ローリング型や深いボックス型には効果が期待されますが、アイスピック型の場合はあまり効果がありません。

皮膚移植

ダーマペンやレーザーなどの治療法が困難な場合は皮膚移植しかありません。皮膚移植はご自身の皮膚を移植する手術で、パンチ切除などがあります。

しかし、料金は80,000~100,000円以上と高く、手術後の副作用のリスクが起こる場合があります。

クレーターは再生医療で治る?

クレーター 一生治らない

クレーターの治療法はダーマペンやレーザー治療、皮膚移植などがありますが、完全に治す治療法ではありません。特に深いクレーターの場合、皮膚移植以外ではほとんど効果がなく、皮膚移植でも術後の副作用のリスクがあります。

美容皮膚科・美容外科による治療以外の新たな選択として「再生医療」があります。クレーターの再生医療は「PRP皮膚再生療法」「幹細胞治療」「ACRS療法」の3つがあり、それぞれの特徴を紹介します。

PRP皮膚再生療法

PRP皮膚再生療法は血小板を使って行う施術です。患者自身の血液から採取したものを使用するため、アレルギー反応が出ることはほとんどありません。

効果は個人差がありますが、2週間から2か月ほどかけて少しずつ現れてきます。即日短時間で施術を行うため、入院の必要もありません。

幹細胞治療

幹細胞治療(線維芽細胞療法)は患者自身の皮膚の肌細胞を採取した後に培養し、培養した肌細胞を移植する治療法です。培養された細胞は保管すればいつでも移植が可能なメリットがあります。

PRP皮膚再生療法と同様に入院の必要がなく、肌内部のクレーターを解消する効果が期待されます。

ACRS療法

ACRS療法とは、患者自身の血液にある抗炎症性サイトカインと成長因子を抽出し、肌に注入していく治療法で、自己血サイトカインリッチ血清、炎症免疫療法とも言います。

自身の血液成分抽出のための添加物は使わず、ニキビ跡などの抗炎症作用としての効果が期待できます。

費用

クレーター 一生治らない

クレーターの再生医療の費用は以下の通りです。

  • PRP皮膚再生療法:1回160,000円~
  • 幹細胞治療:500,000~1,000,000円前後
  • ACRS療法:1回160,000円~

このほか、幹細胞治療では細胞保管料などがかかります。なお、費用は医療施設によって異なります。

副作用について

再生医療はご自身の肌細胞や血液を使うため、副作用のリスクが低い安全な治療法とされています。しかし、注射時の出血や腫れなどのダウンタイムは生じます。また、ごくまれに薬剤によるアレルギー反応が起こる場合があります。

PRP皮膚再生療法は小児や心臓病・脳梗塞の既往歴がある方、血液が固まりにくくなる薬を飲まれている方、肝臓疾患をお持ちの方は施術ができません。

再生医療は指定された医療機関で受診を

クレーター 一生治らない

2014年に「再生医療新法」の改正、2016年に「再生医療等安全性確保法」の改正が行われる以前は肌再生医療に対しての法律の縛りが緩く、自由に再生医療が行われていました。しかし、無許可で治療を行う医師が増え、高額な医療費を請求されたり、安全面のトラブルを起こした例が増加しました。

2014、2016年の法改正で、再生医療は事前に手続きをし、認可が下りた指定医療機関でなければ受診ができません。手続きをせずに無断で再生医療を提供した医療機関は法律違反となり、罰則が適用されます。

再生医療を受ける際は厚生労働省のホームページに「再生医療等提供機関一覧(治療)」に登録された医療機関と再生医療の名称を確認するとともに、医師からの十分な説明を受け、理解・納得した上で治療を検討しましょう。

(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000186471.html

まとめ

クレーター 一生治らない

クレーターはニキビの炎症やたるみ、乾燥などによって、肌の毛穴やその周辺が凹凸になる症状で、肌内部の真皮層や皮下組織間で破壊され、一度クレーターになってしまうと一生治りません。クレーターは「ボックス型」「アイスピック型」「ローリング型」の3種類があり、治療の難易度も異なります。

クレーターが軽度の場合はセルフケアが可能ですが、化粧品などが不可能な場合は美容皮膚科・美容外科による治療が必要になります。治療はダーマペンやレーザー治療、皮膚移植などがありますが、いずれも完全に治る治療ではありません。

美容皮膚科・美容外科による治療では難しい場合は再生医療の選択肢があります。クレーターの再生医療では「PRP皮膚再生療法」「幹細胞治療」などがあり、ご自身の肌細胞や血液を使うため、副作用のリスクが低いとされています。

本記事を読んで、クレーターで悩んでいる人のお役に立てることができれば幸いです。

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