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エクソソーム療法とは?効果や注入方法などわかりやすく解説!

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院長 黒木 良和

九州大学医学部卒
九州大学大学院修了 医学博士
川崎医療福祉大学客員教授
元神奈川県立こども医療センター所長
元聖マリアンナ医科大学客員教授

最近、密かに美容関連で話題となっているエクソソームですが、実態を知る方はまだ少ないことでしょう。

今回は、エクソソーム療法について解説していきます。

ご興味がありお問い合わせをご希望の方は、こちらからひまわりクリニックにご相談ください。

エクソソーム療法について


エクソソーム療法は、細胞間コミュニケーションに重要な役割を果たす細胞外小胞であるエクソソームを利用した革新的な美容医療の一つです。

エクソソームは、細胞質膜から分泌される小さなナノサイズの胞体で、細胞間で情報伝達を行う際に重要な役割を担っています。

例えば、細胞間のシグナル伝達、細胞外マトリックスの修復、免疫応答などに関わるものがあるタンパク質やエクソソームの形成や機能に重要な役割を果たす脂質、細胞内の遺伝子発現制御を行なえる機能を持つ核酸などが挙げられます。

これらの物質が他の細胞に取り込まれることで細胞の機能や状態が変化します。

一例として、再生医療や抗炎症治療において、幹細胞由来のエクソソームが注目されています。

幹細胞は、分化能力と自己複製能力に優れた細胞であり、組織の修復や再生を促す働きがあります。

幹細胞由来のエクソソームは、これらの幹細胞の有益な特性を持っていることから、美容医療においてもアンチエイジングや皮膚の再生、炎症の抑制などの効果が期待されています。

エクソソーム注射

幹細胞上清液中に含まれるエクソソームは、細胞外小胞体の一種であり、細胞の成長や再生に必要な情報分子を含んでいます。

エクソソーム注射は、このエクソソームを利用して、美容目的や慢性疾患、怪我の治療などを行う局所注射です。

効果を発揮させたい部位に対して治療効果が期待されます。

エクソソームの注射前には、患者の病歴やアレルギー、症状、治療目的などを考慮し、医師が適切な治療計画を立てる必要があります。

また、注射後には定期的なフォローアップを行い、エクソソーム注射治療の効果を確認する必要があります。

エクソソーム点滴

エクソソーム点滴療法で行なう細胞再生医療とは、細胞から分泌される小型の細胞外小胞子であるエクソソームを利用して、細胞や組織の再生を促進する治療法です。

「2014年には血管内皮細胞の培養上清が皮膚を若返らせるとの論文があり、また、2015年には、ヒト由来脂肪幹細胞培養上清が紫外線による線維芽細胞のMMPs生成を抑制し、皮膚の光老化を制御できると報告されている。」

「最近、韓国では、すでに、脂肪幹細胞から エクソソームを分離、濃縮した商品が開発され、臨床に供されている。動物モデルではアトピー性皮膚炎の症状改善効果が確認され論文発表されている。」

(共に、『美容医療 new horizon—幹細胞への期待—』、著市橋正光,長濱宏治より引用)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/koshohin/44/1/44_440107/_article/-char/ja/

以上の論文から細胞や組織の再生促進などの効果が期待できます。

エクソソームには細胞が分泌する様々な種類のタンパク質やmRNA、miRNA、脂質が含まれており、これらの物質が細胞や組織の再生に関わる細胞シグナル伝達に重要な役割を果たしています。

「エクソソームは100nm前後の細胞外小胞の一種で膜にコレステロール、スフィンゴミエリン、セラミド、脂質ラフト構成成分を含み、また内部には多くのタンパク質、mRNA、miRNA等を含むことが知られている。そのため、間葉系幹細胞をはじめあらゆる細胞から産生されるエクソソームは、細胞間の情報伝達物質の運び手”Vehicle”として、我々の生命活動に、様々な影響を与えている事がわかってきており、新たな治療のツールとして期待されるようになっている」

(CRDS 国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センターより引用)

https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2020/FR/CRDS-FY2020-FR-04/CRDS-FY2020-FR-04_20105.pdf

エクソソーム点滴療法は、エクソソームを含む生理食塩水などの溶液を点滴によって投与します。

投与されたエクソソームは血液中を循環し、損傷した細胞や組織に到達して、再生や修復を促進すると考えられています。

エクソソーム点滴療法は、局所注射法と比較して全身に対して効果が期待されるため、広範囲にわたる細胞再生や修復効果を求める場合に適しています。

幹細胞移植などのように手術や大がかりな処置が必要なく、安全性が高いといった特徴もあります。

エクソソーム療法を検討する際の注意点

エクソソーム療法を受ける際の注意点は以下の通りです。

1.専門医の選択

信頼できる専門医や医療機関を選ぶことが重要です。

エクソソーム医療は専門的な知識と技術が求められるため、適切な治療が受けられるように注意が必要です。

2.十分な相談

治療前に専門医と十分に相談し、自分の状態や治療目的、期待できる効果について理解しておくことが望ましいです。

3.治療法の選択

個々の患者さんの状態や目的に応じて、適切な治療法を選択することが重要です。

4.アフターケアとフォローアップ

治療後のアフターケアや定期的なフォローアップが重要です。

効果の持続や安全性を確認するために、専門医と密に連絡を取り合いましょう。

ひまわりクリニックでは、エクソソームの管理を徹底し、経験豊富な専門医が対応するので安心して治療に専念できる環境を維持しています。

ピュア・エクソソームとは

ピュア・エクソソームの生成において、細胞培養上清液は重要な役割を果たします。

細胞培養上清液とは、細胞を培養する際に使用される培地から、細胞が分泌するエクソソームや他の分泌物を含む液体のことを指します。

エクソソームの生成において、まず細胞培養上清液を収集し、それを用いてエクソソームを分離します。

その後、さまざまな精製工程を経て高純度のピュア・エクソソームを得ることができます。

また、細胞培養上清液のなかでも特に臍帯幹細胞培養上清液は、幹細胞が培養条件によって分泌する生理活性物質により、抗炎症作用や細胞増殖促進作用、細胞分化誘導作用など、さまざまな治療効果が期待されています。

細胞培養上清液からピュアエクソソームを得るプロセスは以下の通りです。

1.細胞培養

適切な培地と条件のもとでエクソソームを生成する細胞を培養します。

細胞は、エクソソームを含む分泌物を培地に放出します。

2.細胞培養上清液の収集

細胞培養が一定期間経過した後、培地から細胞を取り除き、エクソソームや他の分泌物を含む上清液を回収します。

3.エクソソームの分離

細胞培養上清液からエクソソームを分離するために、遠心分離や濾過、超濾過、免疫沈降法などの方法が用いられます。

4.精製

分離されたエクソソームから不純物や他の生物学的物質を取り除くために、追加の精製工程が行われます。

これにより、高純度のピュアエクソソームが得られます。

5.品質管理

ピュア・エクソソームの品質を確保するために、純度や濃度、生物学的活性などを検査します。

また、病原体や細菌による汚染がないことを確認するための検査も行われます。

細胞培養上清液からピュア・エクソソームを生成することで、エクソソーム療法において治療効果を最大化し、患者の安全性を確保することが可能です。

ピュア・エクソソームは、細胞間の情報伝達を担う重要な役割を果たし、成長因子やサイトカイン、マイクロRNA(miRNA)など、さまざまな有用な物質を含んでいます。

これにより、皮膚の再生や抗炎症作用、抗酸化作用などの効果が期待され、美容医療や再生医療において利用されます。

ひまわりクリニックでは厳選されたピュア・エクソソームを用いることで、より安全な環境の提供を心掛けています。

エクソソーム療法で期待できる効果

エクソソーム療法で期待できる効果は以下の通りです。

1.細胞増殖促進効果

細胞増殖促進効果は、エクソソームが運搬する成長因子やサイトカイン、マイクロRNA(miRNA)などの生物活性物質に起因しています。

これらの物質は、細胞増殖や分化、細胞機能の調節に関与し、組織の修復や再生プロセスをサポートします。

上皮成長因子(EGF)や線維芽細胞増殖因子(FGF)などの成長因子、インターロイキン-6(IL-6)やトランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)などのサイトカイン、マイクロRNA(miRNA)といった生物活性物質が相互作用し、細胞の増殖や組織の修復・再生を促進する効果を発揮します。

2.抗炎症作用

エクソソームによる抗炎症作用は、エクソソームが含むサイトカインやその他の生物活性物質などによって引き起こされます。

これらの物質は、炎症反応を調節し、炎症を抑制する働きを持っています。

抗炎症サイトカインであるインターロイキン-10(IL-10)やマイクロRNA(miRNA)などの物質が相互作用し、エクソソームは炎症反応を抑制し、抗炎症作用を発揮します。

3.線維芽細胞の増殖抑制効果

エクソソームによる線維芽細胞の増殖抑制効果は、エクソソーム内の特定の生物活性物質が、線維芽細胞の増殖や活性を制御することによって発揮されます。

トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)をはじめとする成長因子やマイクロRNA(miRNA)などの物質が相互作用し、線維芽細胞の増殖を抑制し、線維化の予防や治療に役立ちます。

4.免疫調節作用

エクソソーム内に含まれる物質が、免疫細胞の活性を調節し、免疫応答を調整する働きを持っています。

免疫調節サイトカインであるインターロイキン-10(IL-10)やトランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)などは、免疫細胞の活性を抑制し、過剰な免疫反応を緩和する役割があります。

5.神経保護作用

エクソソームによる神経保護作用は、エクソソーム内に含まれるサイトカインやマイクロRNA、成長因子、他の生物活性物質などが神経細胞の成長および修復をサポートすることによって引き起こされます。

神経成長因子(NGF)や脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)などの成長因子、グルタチオン(GSH)や抗酸化ペプチドなどの抗酸化物質、マイクロRNA(miRNA)などの生物活性物質が相互作用し、エクソソームは神経保護作用を発揮します。

まとめ


美容医療におけるエクソソーム治療は、細胞間コミュニケーションを担うエクソソームを利用して、肌の再生や美容効果を目的とした治療法です。

肌トラブルの改善やアンチエイジングに期待が寄せられています。

エクソソームには、成長因子やサイトカイン、マイクロRNA(miRNA)など、肌に必要な成分が含まれており、肌細胞の活性化やターンオーバーの促進など、様々な効果が期待できます。

この治療法は、主に皮膚への注射や点滴療法により行われ、抗炎症作用や抗酸化作用、肌の若返りを促進します。

その中でも、ピュア・エクソソームを用いた点滴療法は、安全性も高い上、効果も期待できます。

この記事をご覧になって、ピュア・エクソソームにもしご興味がある方は、経験豊富な医師がおりますので、ひまわりクリニックまでご相談ください。

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